家賃等の取立て行為の規制に関する法律案考証

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おおや倶楽部ニュース vol.95


★組合ニュース(大阪リアルオーナー協同組合 機関紙への寄稿文)

賃貸住宅に潜む大きな矛盾を改めよう H22.4.4 大阪生野共同住宅組合 組合長 糸川康雄

「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制に関する法律案」考証

まず、今回の法案に関して私は全てに反対している訳ではありません。
当然ながら、違法な追出し行為など自力救済は、厳に慎むべきです。
長く賃貸住宅を運営してきた者として、常にその社会的使命と良好な住宅の提供を通して、誰か一人だけが大きな利益を求めるのではなく、貸す人・借りる人・その周りでこれを支えてくれる建築業者さん・設備業者さん・仲介業者さんなど、それぞれが適正な利益を受けて循環するコミュニティー作りに努めてきました。

約30年の賃貸住宅経営の経験と、大家さんの団体組織でご相談に乗ってきた経験から、最近の滞納事例は、悪質化して来ている印象を受けます。
以前なら、滞納者も自分が悪いと言う意識が有り、出来るだけ支払おうと努力しますし、もし裁判となっても判決で大家さんが勝訴すれば、自分で荷物をまとめて出て行かれましたが、今は違います。
権利に胡坐をかき、強制執行されるまで居座り続け、裁判や強制執行の費用・長引く滞納期間を盾に駆け引きし、金銭の要求をする悪質滞納者、所謂プロの滞納者が増えている気がするのは私だけでは無いでしょう。

本来の弱者と悪質滞納者を同一視する事は、より問題を複雑にし大変危険です。

戦後の住宅難の時代から始まって、高度成長期、バブルの時代へと長く続いた貸し手市場から、この十数年は入居者数を賃貸住宅数が上回る借り手市場に変わり、ますますその需給バランスは拡大を続けています。

現在、借家人・借地人の権利は、明治期に作られ以後何度か改定されてきた、借地借家法と消費者契約法によって手厚く守られています。
明治42年の「建物保護ニ関スル法律」の制定以来、大正10年の「借地法」「借家法」の制定を経て、昭和16年の戦時中、出征兵士の留守宅がおびやかされるような不都合があってはならない、といった論議も有り借主の立場を強化する改正がなされました。
借主に出て行ってもらうには「正当事由」が必要となったのです。
勿論、賃貸人の自分勝手な不当な追出しには必要な事でしょうが、これが滞納にも援用されている事が問題なのです。

賃貸借契約の最低限のルールである賃料を支払わなくても、「正当事由」が無ければ出て行ってもらえないって理不尽じゃないでしょうか?滞納の場合の「正当事由」とは、おそらく「賃貸人との信頼関係を壊す」として、現在の判例では最低でも3ヶ月の滞納が必要って事らしいのです。
実際の裁判では、半年〜一年はかかります。
これは先述した様に、戦時中にご主人が徴兵されて戦争に行っている間に、残された奥さんや子供が契約解除されて困ら無い様に、安心して戦争に行かせる為の法律です。
今回の法案は、その最低限のルールも守らない賃借人を更に更に保護しようとする法律であり、それが返って賃借人の為にもならないから是正を要求しているのです。

例えば、デパート・スーパー・個人商店に買い物に行き、お金を支払わなければ、当然商品を売ってはくれません。もし、お金を払わずに商品を持って出て来れば、窃盗罪で警察に逮捕されます。
また、飲食店に行って注文し、満足するまで飲食し、お金を払わずに出て来れば、これも無銭飲食で警察に逮捕されます。これは、当然ですよね。幼稚園児・小学生でも知っている事で、当然な事です。
しかし、

(大阪生野共同住宅組合 組合ニュース 第95号 2ページ目)


この当然な事が、賃貸住宅を貸した場合には当てはまりません。

しかも物を買う時や飲食する時は、言葉のみで「あれが欲しい・これを注文する」と言うだけですが、賃貸住宅の場合は、賃貸借契約を交わし、記名押印をして賃料の支払いを約束しているのです。
しかし、この約束が守られない時、借地借家法は貸主を守ってはくれません。
例えば、判例によれば滞納3ヶ月以内なら、裁判に訴える事すらできません。
また、裁判期間も半年・一年になる事も多く、強制執行までしなければならない場合も多く、その費用やその期間の滞納家賃も殆どの場合大家さんの負担です。
始めに決められたルールを守らない滞納者が、自分達は法律に守ってもらう?こんな、可笑しな事が現実に有るのです。

私の知る限り、欧米では賃料を支払わなくなった者は、退去させられます。
かわいそうと言う意見も有るでしょうね。
その時こそ、本来の社会的弱者の方達に行政が受け皿になって、安価な住宅を提供すればよいでしょう。

大切な事は、賃料を払わなくなった時に、退去をさせ易ければ、開かれた賃貸住宅の経営が可能だと言う事なのです。賃貸住宅を借りようと思った人が、借り易い環境があるのです。賃料を払わなくなった時に、退去をさせ易ければ、保証人は不要かもしれません。
勿論、保証会社の方達には申し訳ないですが、保証会社は不要になるでしょうね。
そうすれば、入居時の審査も簡単になり、外国人の入居もノープロブレムで、コストも掛からなくなります。
当然、今回の法案も必要なくなります。

風が吹けば桶屋が儲かるじゃありませんが、そうすればより良い住宅の提供につながると思えます。
おそらく、賃貸住宅は狭いし設備も劣ると陰口を叩かれていますが、もっと広く設備も良い賃貸住宅が提供される方向にむかうでしょう。

その昔、大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然と言った時代に戻れるかもしれません。
今の規制に規制を重ねて行く方向は、これに真っ向から反対する政策です。

こんな事をすれば、より借り難くなり、借りる際のコストもリスクの増大に伴ってアップしていく事は自明です。

貸す人や借りる人、それぞれの弁護士や司法書士、マスコミ等を交えた公開政策協議会を開催し法律案の見直しと、もう一歩踏み込んで、借地借家法に一石を投ずる事が出来れば幸いです。

また、今回の問題を契機として、いま賃貸住宅にある矛盾を探り出し、改善し、貸す人も借りる人もその周りで支えてくれる全ての人に、より良いコミュニティーとなる事を願ってやみません。


★至急のご依頼 今回の法案に関して、組合員皆様へのお願い
本法案の是正を求める為の陳情に、組合員皆様が実際体験された滞納事案に関して、情報収集が早急に求められております。(お一人何例でも可)
法案は今国会での早期成立が目指されております。
可能な限り4月10日頃までに、ファクス・メール・お電話にてご連絡下さい。
なお、頂きました情報に関するプライバシーは組合が責任もって守りますので、ご安心下さい。
お忙しい所恐れ入りますが、よろしくお願い申し上げます。

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投稿日時: 2010年04月05日 21:00

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発行人 大阪生野共同住宅組合(編集:糸川康雄)
〒544-0003 大阪市生野区小路東2-21-27

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